_______________Update at June 2020

_______________于2020年6月更新

Research Outline

小林研究室は、「Biomass to Sustainability(バイオマスと持続可能性を工学分野へ)」をテーマに、有機・無機材料を利用した医療、環境浄化、電子電機分野への機能性材料開発とその応用を行っています。具体的には、

(1)環境汚染防止に着目した、有機性窒素や重金属吸着繊維などの「水質浄化材料」

(2)バイオマス廃棄物の有効利用に着目した、生体親和性の高いセルロースゲルや高強度フィルムなどの「バイオ・医療用材料」

(3)「有機合成材料」

(4)超音波による機能発現素材の制御を目指した「超音波化学による構造・結合制御」

に焦点を当てた研究開発を精力的に実施しております。様々な分野におけるインテリジェントな実用材料の開発に取り組んでおり、長岡技科大発信の技術の実装化を目指した産学連携を積極的に展開しています。


(1) 環境浄化材料

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左上図: ナノインプリント材料埋め込み中空糸膜
右上図: 磁性ナノ材料(酸化鉄)による色素吸着挙動
左下図: 構造制御されたジオポリマー
右下図: 天然ゼオライト/高分子樹脂複合体繊維

水を有効に安心して利用するためには、環境ホルモンや重金属イオンなどの有害物質の除去・回収技術は、必要不可欠です。本研究室では、高分子材料や無機材料の形態制御や複合技術によって、高効率に除去・回収する技術を開発しています。特に、分子の形を高分子膜へ刷り込んだテーラーメイドインプリント膜や磁性材料/ポリマー複合体から成るハイブリッド凝集剤などは、注目を集めています。最近では、天然ゼオライトと高分子樹脂の複合化によって放射性セシウム除去繊維の開発に成功し、福島県での除染技術として既に実用化されています (下写真)。
環境浄化材料画像2.jpg
写真: 福島 富岡での除染実用化装置

関連文献:
1. Nor Nadiah Mohamad Yusof, Yasuaki Kikuchi, Takaomi Kobayashi, "Predominant Hosting Lead (II) in Ternary Mixtures of Heavy Metal Ions by a Novel Diethylaminomethyl-Calix[4]Resorcinarene." International Journal of Environmental Science and Technology, DOI: 10.1007/s13762-013-0298-9 (2013) in press.LinkIconFind

(2) バイオ・医療用材料

バイオ.png

左図: 生体適合性バイオマスハイドロゲルフィルム
中図: ハイドロゲルフィルムに接着した細胞
右図: ゲルへ侵入した細胞の蛍光顕微鏡像

生体内の細胞が高い親和性をもって接着する材料開発を目指しています。天然物から合成した高分子材料や無機材料を母体として、合成法の工夫によって高い生体親和性をもつ材料を創出しています。例えば、海苔に含まれているポルフィランは水と良くなじむバイオポリマーで、薬剤担持能に優れています。また、メキシコ原産テキーラや沖縄原産サトウキビの搾りかすなどの廃棄物由来のバイオポリマーにおける高い生体親和性を見出し、細胞足場材料への応用の可能性が切り拓かれつつあります。

関連文献:
1. Karla Lizette Tovar-Carrillo; Satoshi Sugita Sueyoshi; Motohiro Tagaya; Takaomi Kobayashi* “Fibroblast Compatibility on Scaffold Hydrogels Prepared from Agave Tequilana Webber Bagasse for Tissue Regeneration.” Industrial and Engineering Chemistry Research, 52(33), 11607−11613 (2013).LinkIconFind

(3) 有機合成材料

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左図:新規カリックスアレンの構造
右図:新規イオン液体によるイオンゲル

植物由来のアルデヒドより機能性吸着能を有する新規のカリックスアレーンの合成に成功 しました。これを用いて開発された分離膜には種々の金属に対する選択的な吸着性能があ ります。(左図) また、最近では一分子内に二対のアニオン部位とカチオン部位を有するイオン液体の合成 に成功し、これよりイオンゲルの合成にも成功しています。(右図)

関連文献:
1. Kun Wang; Yusuke Hoshina; Yang Cao; Motohiro Tagaya; Takaomi Kobayashi*, “Novel Metal-like Luster Conductive Film Made of Pyrrole and Furfural in Straightforward Chemical Copolymerization.” Industrial and Engineering Chemistry Research, 52(8), 2762−2771 (2013). LinkIconFind
2. Kun Wang; Motohiro Tagaya; Shijun Zheng; Takaomi Kobayashi “Facile Syntheses of Conjugated Polyaminoanthracenes by Chemical Oxidation Polymerization for Sensitive Fluorometric Detection of Heavy Metal Ions.” Chemistry Letters, 42(4), 427−429 (2013).LinkIconFind

(4) 超音波外部刺激による化学構造・結合制御

超音波.jpg
図:超音波によるダイナミックな高分子構造制御のイメージ

音で粒子の直径や粘度を自在にコントロールする基礎研究を推進しております。ソノケミストリーやソノプロセスという分野開拓と材料化学との融合を目指して、音を吸収して反応する機能材料の創出法と制御法の新しい可能性を探索しています。現在は、ゲル材料からの薬剤放出(DDS)やパームオイル工場排水問題を解決する一環として、超音波によるパームオイルエマルジョンの解乳化についても研究されています。

関連文献:
1. Josue Addiel, Venegas Sanches; Motohiro Tagaya; Takaomi Kobayashi “Ultrasound Effect Used as External Stimulus for Viscosity Changes of Aqueous Carrageenans.” Ultrasonic Sonochemistry, 20(4), 1081−1091, (2013).LinkIconFind
2. Josue Addiel, Venegas-Sanchez; Motohiro Tagaya; Takaomi Kobayashi “Ultrasound Stimulus Inducing Change in Hydrogen Bonded Crosslinking of Aqueous Polyvinyl Alcohols.” Ultrasonics Sonochemistry, in press.LinkIconFind