高橋 由紀子 准教授
身の回りや自然の中にはさまざまな「色」があふれており、その中でも「有機色素」は光エネルギーを高効率に集め、化学反応に変換するなど、高度な機能を発揮します。本研究室では、さまざまな色素を対象として有機色素単独もしくは複合ナノ粒子を作製し、さらにナノ粒子を薄膜や固体分散など構造化することによって、機能性ナノ構造体の開拓を行ないます。ナノ粒子は比表面積が大きいため、分子に近い反応性を維持しながら、自己集合による分子間相互作用も強く分子単独とは異なる新たな機能を発揮します。研究目的はセンサーや触媒等、環境計測や環境保全に役立つ部材を開発し、その機能を評価し社会変革につなげます。既存の色素(顔料や染料)の多くを活用可能で、農業廃棄物として大量にある植物色素の活用と退色抑制に関する研究も進めており、地球にやさしい環境ナノ材料を目指しています。
規制値(ppbレベル)を現場で測定可能な高感度イオン試験紙です。
表1以外にも、銀イオン、錫イオンなどへも対応可能です。
実サンプルへの対応も検討しており、例えば環境水中の腐食酸鉄の定量に特化した試験紙もあります。
現場での日常的な⽔質管理が可能で、廃液が出ず環境にやさしい分析⽅法です。
⾦属アレルギー対策、RoHS指令、WEEE指令等の分析で、直接接触させることで規制物質を検出します。また汗や唾液、海水などへの製品の暴露試験として展開が可能です
光と大気から活性酸素の一つである、一重項酸素を発生する膜で、ウィルスや細菌などのクリーンな分解を目指しています。
植物顔料等、さまざまな染料や顔料をナノ粒子、ナノ繊維、ナノ結晶、無機ナノ粒子との複合体など、数~100 nm程度のサイズで作製します。同時に薄膜化、多孔質や高分子との三次元化など部材も開拓します。
看板が⾊褪せるように、有機⾊素は光で退⾊します。粒⼦化による耐光性の獲得、さらには天然物の添加等による長寿命化を図り、実用化に支障のないレベルの耐光性を⽬指します。